焼き魚に添えたり、サワーにしたりいろいろな楽しみ方がある香酸柑橘類。
香酸柑橘類とは、酸味が強いため生食ではなく果汁を絞ったりジュースにして楽しむのに向いている柑橘類のことです。
代表的なものにかぼすやすだちがありますが、その2つにとてもよく似ている「へべす」という柑橘類があることを知っていますか?
あまりメジャーではないですが、じつは栄養豊富で魅力たっぷりなへべす。
栄養や効能、そしてかぼすやすだちとの違いについてまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
へべすとは?
へべすは、ミカン科ミカン属の柑橘類で香酸柑橘類の一種です。
原産地は宮崎県日向市で、江戸時代末期に長宗我部平兵衛が山の中でへべすを発見したことから「平兵衛酢」と書いて「へべす」と呼ばれるようになりました。
見た目は同じ香酸柑橘類のかぼすやすだちに似ていますが、酸味が柔らかく、酸味・香り・味のバランスがとてもよくとれています。
皮が薄く長期保存には向いていませんが、その分果実がたくさん詰まっていて果汁率が非常に高いのが特長です。
へべすの栄養と効果効能について
ビタミンCとクエン酸が豊富
へべすは豊富なビタミンCとクエン酸を含んでいます。
ビタミンCは強い抗酸化作用があり、免疫力向上に役立ちます。
クエン酸には、腎臓機能を改善する働きや、疲労回復、老化抑制などの効果があります。
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また、へべすには人が生きていくのに必要な必須アミノ酸9種類のうち、トリプトファンを除く8種類が含まれています。
必須アミノ酸は、成長ホルモンの分泌を促し、肝機能の改善や脂肪肝の予防などの効果があります。
必須アミノ酸は体内で生成することができないので、積極的に摂りたい栄養素です。
注目すべきナツダイダイン
さらに、へべすには多くの機能性成分が含まれています。
機能性成分とは、五大栄養素のような必須な栄養素ではないけれど、健康維持や病気予防などの機能的効果が認められた大事な栄養成分のことです。
含有量の多い順に並べると、「ナリルチン」「ナリンギン」「ヘスペリジン」「ネオヘスペリジン」「エリオシトリン」「ナツダイダイン」「ノビレチン」「タンゲレチン」です。
あまり聞き慣れない成分ばかりですね。
この中で特に注目すべきなのが「ナツダイダイン」です。
「ナツダイダイン」はフラボノイドの一種で、発がん抑制効果とがん細胞の増殖抑制効果があると言われています。
これは同じ香酸柑橘類のかぼすやすだちには含まれていない成分なんです。
ゆずはナツダイダインを含んでいますが、へべすの含有量はゆずの約27倍と言われており、その豊富さがよく分かります。
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見た目の違い
へべすと同じ香酸柑橘類であるかぼすとすだち。
どれも見た目がとても似ていますが、へべすとはどのような違いがあるのでしょうか?
まずは見た目の違いですが、ポイントはその大きさです。
3つとも色は深緑色で丸い形をしていますが、大きさがそれぞれ異なります。
へべすはすだちより大きく、かぼすより小さいのです。
大きい順に並べると、
かぼす>へべす>すだち
となります。
種と皮の薄さの違い
また、切ってみるとその違いはさらに分かりやすくなります。
ポイントは種と皮の薄さです。
種があるもののうち皮が薄い方がすだち、皮が厚いものがかぼすです。
そして、種がほとんどなく皮が薄いものがへべすです。
切ってへべすを見分ける際は、種の有無がポイントですね。
味の違い
そして大事な味の違いです。
へべすはすだちやかぼすに比べて、
酸味がまろやかで、香りが高いのが特長です。
すだちやかぼすだと酸っぱく感じる人は、へべすだとちょうどいいかもしれませんね。
※1分でできる、へべすジュースの作り方
ぜひ皆さんも試してみて下さい!
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一度味わってみて!
いかがでしたか?
あまり馴染みのないへべすですが、栄養素や効果を知ると食べたくなりますよね。
へべすは収穫時期が短く、長期保存ができないのですが、最近では冷凍保存されて通年出荷されているそうです。
もしスーパーなどで買うことができたら、ぜひそのまろやかな酸味と豊かな香りを味わってみてください。