保存食として優秀な高野豆腐。
売られている時には小さく硬い高野豆腐ですが、水で戻すと大きく膨らみ柔らかくなります。
料理では主に煮物で使われる他、最近ではお肉の代わりに用いてアレンジ料理としても活躍していますね。
高野豆腐は元々は豆腐なのでヘルシーなイメージがありますが、実際に含まれる栄養も豆腐と同じなのでしょうか?
高野豆腐ってそもそもどんな豆腐なのか、どのような効能があるのか調べてみました。
高野豆腐ってどういう豆腐?
高野豆腐は豆腐を凍らせ低温熟成した後、乾燥させた保存食品です。
冬に豆腐を外に放置していたことから偶然できたものだと言われています。
元々は高野山で「凍り豆腐」という精進料理として広まったのですが、江戸時代に入り高野山のお土産として有名になったため「凍り豆腐」ではなく「高野豆腐」という名前で広まり、現在に至ったそうです。
小さくて軽いため持ち運びにも便利ですし、保存がきくのでお土産としてもらった側にも嬉しい食品ですね。
高野豆腐のタンパク質と効能について
高野豆腐のタンパク質は100gあたり約50gです。
なんと高野豆腐が含む栄養素の半分以上をタンパク質が占めているんです!
特に注目すべきはタンパク質の中に含まれている「レジスタントタンパク」という栄養成分です。
このレジスタントタンパクには食物繊維に似た働きがあり、血中の悪玉コレステロール値を減少させる効果があります。
また、中性脂肪の上昇をおさえる効果もあるので、健康が気になる方には嬉しいですね。
高野豆腐はゆっくり凍らせてからさらに時間をかけて乾燥させることで、含有成分がギュッと凝縮されます。
レジスタントタンパクもそうした製造過程で形成されるため多く含まれるのです。
高野豆腐にその他の栄養や効能はあるの?
タンパク質が栄養素の半分以上を占める高野豆腐ですが、他にもさまざまな栄養が含まれています。
アミノ酸
まず1つ目がアミノ酸です。
高野豆腐のアミノ酸含有率は非常に高く、肉や魚よりも多いのです。
豚肉や鶏肉が100gあたり38,000mgのアミノ酸を含むのに対し、高野豆腐100gあたりに含まれるアミノ酸はなんと56,000mg!
比べてみるととても多いことが分かりますね。
そんなアミノ酸には、筋肉増強や疲労回復、免疫力アップの効果がある他、ダイエットにも効果的と言われています。
レシチン
2つ目はレシチンです。
レシチンはリン脂質と呼ばれる脂質の一種で、記憶や認識の機能をサポートする働きがあると言われ、記憶力や学習能力の向上、アルツハイマーや認知症予防の効果があります。
また、動脈硬化予防、肌荒れやニキビ予防、コレステロール値抑制といった効能もあるので、生活習慣病が気になる方にオススメです。
ちなみにレシチンは高野豆腐だけでなく、豆腐や納豆などの大豆製品にも多く含まれているので、日頃から気軽に摂取することができますね。
ビタミンE
最後に、高野豆腐にはビタミンEも豊富に含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用を持っているので、摂取することで老化防止や免疫力向上などの効能があります。
また、ビタミンEにはビタミンCの吸収を助ける働きもあります。
ビタミンCを多く含む食べ物と一緒に食べると効能アップが期待できます。
まとめ
保存食としても栄養補給としても優秀な高野豆腐。
精進料理など味の薄めな料理に使われるイメージがある高野豆腐ですが、アレンジ次第ではお肉代わりに使ってイタリアンっぽくしたり、お菓子作りに活用することもできます。
台所に置いておく常備食品として取り入れてみてはいかがでしょうか?